この涙ぐましい奔走は、見方によってはこずるい外国人の違法行為でもあるだろう。当然のことながら、アメリカ人はそう見る。ワシントン州においては、1923年にこの抜け道を埋めるさらに厳しい修正案が採択され、未成年の二世が土地を所有することが禁止された。
外国人土地法は、その後も長くアメリカの法律として留まることになる。1940年ごろには二世の成長にともなってほとんど死文化していたにもかかわらず、である。カリフォルニア州ではJACLの運動によって1956年の国民投票で撤廃が決まり、その後他州もカリフォルニアに倣って次々と外国人土地法を破棄していった。最後まで残していたのはワシントン州で、1966年の撤廃であった。
註;
(*1)1910年の移民委員会(The Immigration Commission)のレポートによれば、カリフォルニアの全耕地面積約1100万エーカーに対して日本人所有の土地は約1万7千、リース等の借地は約17万8千エーカー。(Wilson and Hosokawa. East to America, p63.)
(*2)1906年にアメリカ連邦議会は帰化法を改正。このとき、日本人は「帰化不能外国人」のリストに入っていなかったのだが、司法省は全国の裁判所に対して日本人の帰化申請を拒否するよう訓令を出した。当時、日系移民の急増が世間で取りざたされはじめており、司法省としては帰化法に明記されていないとはいえ慎重な立場を取りたかったものと思われる。この措置はさらなる反応を呼び、すでに帰化申請の完了した者まで遡って市民権を剥奪するという事態も起きた。(新日本新聞社「米国日系人百年史」p19)
(*3)Ichioka, The Issei, p217.
(*4)East to America, p135.
参考文献:
- Ichioka, Yuji. The Issei; The World of the First Generation Japanese Immigrants, 1885-1924. New York; The Free Press, 1988.
- Wilson, Robert. A. and Bill Hosokawa. East to America; A History of the Japanese in the United States. New York; William Morrow and Company, Inc., 1980.
- 新日本新聞社編「米国日系人百年史:在米日系人発展人士録」新日本新聞社 1961
- 村上裕三「アメリカに生きた日本人移民:日系一世の光と影」東洋経済新報社 1989
- 鷲津尺魔「在米日本人史観」羅府新報社 1930
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