
数奇な運命 |
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サンフランシスコの北にある街サンタ・ローザ(Santa Rosa)は、ワインの醸造がさかんな地域です。すぐ近くにナパ(Napa)、ソノマ(Sonoma)というカリフォルニア・ワインで名高い土地があり、多くのワイナリーが点在しています。 ハイウェイ101を北上していくと、右手の丘の上に円形の赤い納屋が見えてきました。「Fountain Grove Round Barn」――長沢が当時、馬小屋として使用していた建物です。私有地であり、現在近づくことはできませんが、その堂々とした姿は遠くからも眺めることができます。 |
長沢の時代から残る数少ない建造物のひとつ、円形納屋。日米交流事業の一環として1984年に復元・保存された。(2004年9月撮影) |
この円形納屋を含む広大な土地に、長沢らの属する宗教教団はコロニーを作り、信仰生活を営んでいたのです。生活のために彼らが経営したワイナリーは優秀な商品を生み出し、数多くの賞を受賞しました。長沢が40歳のとき、引退した教祖から農園とワイナリーを引き継いだ彼はその後、地元の高名な白人たちとも交流を深めていきます。当時、元サムライという肩書きから「バロン(男爵)」「プリンス」などと呼ばれ、その誠実な人柄は多くの人に親しまれたそうです。 |
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長沢の着物。小柄な体型を思わせる。 少年時代に日本から持ってきたものだろうか |
最後の武士 |
長沢の「サムライ魂」をあらわすエピソードとして、語り草になっている話があります。 |
岡さんの思い出に寄せて |
ファウンテン・グローブのワイン畑。眼下にサンタ・ローザの街並が見わたせる |
数日後、そろそろ電話をしてアポイントをとろうかな、と思っていた矢先のことです。知り合いの北米毎日新聞記者の方から、知らせを受けました。ちょうど私が長沢のワイナリー跡を訪ねていた日に、岡さんは突然亡くなったというのです。写真をお見せすることは、もうかなわなくなりました。 |